シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。
シナリオ・センター代表の小林です。昨夜はS1シナリオグランプリの授賞式でした。
おめでとうございます。
準グランプリ 「岩坂くんのおっぱい」 水城孝敬さん
佳作「「いそじくみ」の物語」 諸星由美子さん
佳作「青く不完全な人たち」 内平未央さん
奨励賞「掃晴娘」 青柳直記さん
奨励賞「SATSUMA BAND!」中尾克久さん
映画演劇文化協会とシナリオ・センターが主催するS1シナリオコンクールは、テレビ局主催のコンクールのように800万や500万の大賞金は出せないし、放映もできないけれど、どこのコンクールにも負けない審査の質の高さです。
なんといっても、シナリオの学校ですから、一次審査から完璧にひとつひとつの作品を読みこなし、分析し、4次審査という厳しい審査を経て、ちゃんとプロとしてやっていける実力のある作品を、人をみつけます。
だから、S1シナリオグランプリを受賞した方は、「私ってプロの道へ行けるんだ」と自信を持ってください。
青柳さんは、「奨励賞で悔しい!」とおっしゃいました。
中尾さんは「5年後、向田邦子賞を獲る」と宣言しました。
内平さんは、「佳作だったことに納得。プロの道は厳しい」とおっしゃいました。
諸星さんは「書くことが楽しい。子供に尊敬された」と喜んでいらっしゃいました。
水城さんは「自分の強みで受賞。強みを持つことは大事」とおっしゃいました。
それぞれの思いを胸に、もう一歩階段を昇ろうではありませんか。
受賞者の皆さんと毎回、授賞式後会食をします。
今回は、表参道を挟んだお向かいのアニベルサル。結婚式場もあるカフェレストランでした。
毎回、会食場所には苦労するのですが、とてもシナリオ受賞者にふさわしい雰囲気の・・・外国の書斎風の会場でした。(笑)
和気藹々と、最終審査委員浅田と新田を囲みながらの会食です。
残念ながら後藤所長は大阪校だったので欠席でしたが、それぞれの作品の話や悩みから、出産の話まで幅広く話題はつきません。
受賞者の皆さんと過ごすひとときは、私にとっても未来の夢を予感させられる素敵な時間です。
きっとこの方々が、シナリオ・センターの大看板になってくださるに違いない、今のうち尽くしておこう(笑)と・・・本当にワクワクさせられます。
グランプリがでなかったのは寂しいですが、多様な作品が選ばれたことに嬉しく思っています。
それぞれ、素材もキャラクターも素晴らしい作品ばかりでした。
ですが、惜しいことに、どの作品も素材はすごくいいのに、作者の想いが勝ってしまったため、視聴者、観客に伝えようという気持ちが稀薄になってしまっていたように思えます。
それは、書きたいものがありすぎて、整理がついていないというのが一番大きいでしょう。
書いているうちにあれもこれも、この人もあの人も書いてみたくなる・・・気持ちはよくわかるのですが、伝わりにくくなります。
先日ご紹介した岡田惠和さんの「木曽オリオン」、お手本にされるとよいかと思います。すっきりと想いが伝わる・・・こうすればいいのかというお手本のシナリオだと思います。