シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。
シナリオ・センター代表の小林です。弥生3日、お雛祭りですね。
お雛祭りにしては、ちょっと冷たい陽気ですが、お雛祭りを迎えると何となく春めく気がします。
お雛様に、桃の花と菜の花を飾ろうかと思っていたのですが、草餅と桜もちになってしまいました。センターには、こっちの方が人気。(笑)
講師のKさんが、お祭りだからとケーキをくださり、おなかは、すっかり気持ちの良いお雛祭り・・・幸せな気分です。
こんな小さな幸せを持てることって、とてもありがたいことなのです。
毎朝「ごちそうさん」(NHK 朝ドラ)を楽しんでいます。
ここのところ、ちょっとつらいお話が多いのですが、森下さんもドラマを通じて、今だからこそ伝えたいことなのだと思います。
戦争のお話です。
主人公め以子の夫悠太郎は、防災訓練の指導を任され、「空襲は恐るるに足らず」と宣伝する国家の姿勢に、「国民に本当の空襲の恐ろしさを知らせなくては、みんな死んでしまう」と考え、焼夷弾が落ちたらこんなになるとガソリンをかけ、火事を起こし、「まずは逃げろ!」と教えます。
そして、逮捕され、罰として満州に送られてします。
悠太郎に、創設者の新井一を髣髴させられました。
悠太郎は、町を守るために泣く泣く家の引き倒しを甘んじている国民のなかで、議員の親戚の家を倒さずに、ほかの家を倒せと命令され、その理不尽さに怒ります。その上、嘘の情報で、国民より町を守る体制に腹を立ててしまうのです。
新井一も、戦時中、魚河岸に勤めており、国民が少しの配給を分け合っているときに軍が配給の魚を横流しをしていることを知り、その理不尽さに全国紙にすっぱ抜いたのです。
事変惑乱罪で逮捕され、そのまま兵隊に持って行かれます。
まったく悠太郎と同じですね。
秘密保持法というのは、これです。だから、瀬戸内寂聴さんなど心ある多くの文化人たちが反対の声を上げるのです。
国家に都合の悪いことは内緒にする、ばれたらばらした奴を制裁する、こういうことです。
新井一は、真実ですから無罪判決を勝ち取るのですが、国家に逆らった罰として戦地に行かされました。
無罪の人間を抹殺するためにです。
こうした社会にどんどん進んでいこうとしている今、脚本家はドラマの中で、さまざまな形で声をあげてほしいと思います。
だからこそ、新井は、日本人すべての人にシナリオを書くことで、自分の思い、考えを表現できるようになってほしいと願ったのです。
明日も「ごちそうさん」を楽しみに、目覚めます。