シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。
シナリオ・センター代表の小林です。花粉は少ないといわれながらもマスク姿が目立ちます。
ドラマ誌4月号を読もうとしたら、表紙には吉澤智子さん「ダルマさんが笑った。」と中園健司さん「東京が戦場になった日」のシナリオが掲載されていると大きくでていました。
その隣は、山田太一さんの「時は立ちどまらない」でした。
その下には、センター講師の「柏田道夫の公開セミナー講義録」と書かれていました。
なんだかうれしくて、つい笑みを漏らしながら「ほうほう」と思いつつ、目次をみたら「セリフとト書」の連載に山岡真介さん、「ライター掲示板」に阿相クミコさん、「カフェ・ラ・テの庭」でさらだたまこさんと知ったお名前がズラリ。
センターの出身の方々のご活躍ぶりに、ついついみんなに言いたくなっちゃいました。
中園さんのお話は、何回か書かせていただきましたが、遺作になられた「東京が戦場になった日」のシナリオをじっくり拝見させていただき、中園さんらしいシナリオだなあと思いました。
中園さんの戦争への怒りを静かに史実に基づいた悲しみのドラマに仕立て上げた手法はうまいと思いました。
焼夷弾というのは、ドーンと落ちるのではないのですね。
実際に焼夷弾をくぐり抜けた方にお伺いしたら、最初ザーッと夕立のような音がして、それからパチパチと花火のはぜるような音で細かく広範囲に落ちてくるので、まさに皆殺しの爆弾だとおっしゃっていました。
そんなどうにもならない中で、消防活動をされた学徒消防隊、年少消防官の想いがひしひしと伝わるドラマでした。
担当された篠原プロデューサーのお話では、中園さんはいつも「自分を含めて、戦争を潜り抜けた人たちに比べると、ダメなんじゃないか。高度経済成長で日本人はダメになったよね」とおっしゃっていたそうです。
吉澤智子さんの「ダルマさんが笑った」は、高知発地域ドラマです。
夫と息子を海で亡くした母と娘の物語、ダルマ夕日とはちきんといわれる高知の元気な女性をモチーフに描かれたものです。
私もここ数年、毎年高知にお伺いして、高知女性のすごさを肌で感じています。かっこいいんですよ、高知の女性は。
私の大好きな高知の小学校の校長先生は、まさにはちきんそのもの。お酒も強いし、なにより行動力が素晴らしい。高知の小学校でシナリオをやらせていただけたのも、先生と出会ったからこそ。
最近、地方発のドラマがすごくいい。その地域だからこそできる生き生きとした描写は、映像ならではのことだと思います。
出身ライターの清水有生さんは、宮崎、長崎と書かれて、5月21日放映は香川発だそうです。(BSNHKプレミアム)
こちらも楽しみにしてください。
ドラマ誌一冊で一日楽しませていただきました。素敵な一日でした。