シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。
シナリオ・センター代表の小林です。
昨日は、市川森一賞の授賞式でした。
浜田秀哉さんの晴れ姿を拝見しました。
市川森一賞は、オリジナルシナリオを審査対象に、次代を背負って立つ実力ある脚本家に対する賞です。
どの審査員の評価も「ラストホープ」(CX,2013年1月放映)のカンファレンスシーンでの医者たちのやり取りに大きな賞賛を浴びせてくださいました。
難しい医療用語を駆使したセリフの応酬でありながら、視聴者に納得させた凄腕に浜田さんの脚本家としての素晴らしい力をみてくださったということです。
審査委員の方々が「よく難しい医療用語を・・・」とおっしゃっていましたが、私がドラマ拝見していて感じたことは、難しい医療の事を浜田さんが熟知してちゃんと書かれているからこそ説得力があるのですが、視聴者の心に響いたところは、そこではなく、それぞれの医者たちの様々な考え方のぶつかり合いなので、医者たちの個性が際立っているからこそ、医療用語が難しかろうがわからなかろうが、面白く感じたのだと思います。
浜田さんのキャラクター作りのうまさです。
お祝いにいらしてくださった俳優の高島政宏さんが「役者同士で、こんなセリフ覚えられないよ」と嘆き合っていましたと・・・。(笑)
難しいオリジナルドラマに取り組んだ浜田さんが評価されたことは、他の脚本家の方々にも励みになるかと思います。
授賞式には、その昔、浜田さんと某制作会社企画チームで辛酸をなめ合った仲間、小説家の原田ひ香さん、脚本家の青木江梨花さん、舘麻紀子さん、中山智博さんがお祝いに駆けつけられて、浜田さんもお仲間がそばにいるときは、緊張がとけたすてきな笑顔を見せていました。
この企画チームの仲間は、なかなか企画が通らない、でもせっつかれる、そんなすごく大変な日々を続けて、もう限界というところまで頑張っていったんです。その頑張りがあったからこそ、みなさんがプロになれたのだと思いますが、たぶん一人では乗り越えられなかったと思います。
仲間がいたからこそ、結束して頑張れた、そして、互いに高め合ったのです。
シナリオ・センターのいいところ、学校のよさは、これなんですよね。
仲間ができる、互いが切磋琢磨し合ってプロに向かう、プロになっても共に苦労した仲間としていい関係を保っていられる・・・。
授賞式で、浜田さんを囲まれているお仲間のみなさんたちを拝見していて、本当に素敵な仲間だなと思いました。
浜田さん、本当におめでとうございました。ご苦労が報われましたね。
これからは、より高みを目指して、浜田さんらしい脚本を書き続けてください。