しゃれおつなお店や人々が行きかう街、表参道。そこで働くシナリオ・センタースタッフの見たもの触れたものをご紹介します。
シナリオ・センターの新井です。
なにかとシナリオコンクールの応募時期が迫ってくる今日この頃です。
そういえば「続・最後から二番目の恋」でも、シナリオコンクールの話題が出ていますね。
昨日、シナリオ・センターのライターズバンク向けに行われた某テレビ局のガイダンスを聞いていて、ライターにもマーティングの視点が必要だなと思いました。要は、どんな視聴者を想定してドラマを作っているのかという局の傾向を掴むことです。この点に強いのは、シナリオマーケティング講座担当の作家集団の新井講師です。
たとえば、「20枚シナリオ」を書く際、局主催のコンクールに臨む際に、それぞれの局が戦略としてどういう視聴者層を取りたいのかを意識するだけでも作品のクオリティーがグッと上がるのではないでしょうか。
そこで、シナリオマーケティングの一つの方法を考えてみました。
局制作のドラマを一週間分、時間の横軸で眺めるという方法です。
すると、21時台のドラマ、22時台のドラマで、どの視聴者層をターゲットとしているかが見えてきます。
また他局のバラエティやニュース番組など、何と視聴率と争っているのかが見えて来るのではないでしょうか?
局制作のドラマを一週間分、局の縦軸で眺めるという方法です。
すると、局ごとにどの視聴者層をターゲットとしているかが見えてきます。
主演のファン層、ドラマのテーマや題材からおおよそ察しがつくのではないでしょうか?
縦軸と横軸を重ねていくと、局によって、どの時間帯に、どんな視聴者を獲得しようとしているのか、
そのためにどんなドラマをやっているのか、局のマーケティング戦略が見えてくるのではないでしょうか?
さらには、それを4クール実施すれば、より明確になります。
さらに、さらに3年分、5年分実施すれば、変化の流れも見えてくるかもしれません。
さらに、さらに、さらに、そこから映画化されたドラマがあれば、局のねらい通りの視聴者層を獲得したことがわかります。
と、こんな感じで傾向を掴むことができるのではないでしょうか。
その上で、自分ならこの枠でどんなドラマを書くかを考えていくことで、質の高い習作が作れると思います。いざ、コンクールに応募する際にも有効かもしれません。
なぜなら、ドラマは視聴者とともに作るものだからです。
視聴者を無視した独りよがりな作品ほど、イタい作品はありません。
「20枚シナリオ」の課題を書く際に、ちょっとでも意識することで独りよがりから抜ける手立てになるのではないでしょうか。
そのために、シナリオマーケティングを時間のある時に試してみてはいかがでしょうか?