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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

ドラマにしたら、サイコーの小説です。

シナリオ・センター代表の小林です。一気食いも得意ですが、一気読みもいけるんです私。() 

ミチルさん、今日も上機嫌

一気読みしちゃいました。昨日、届いた小説。
出身ライター原田ひ香さんの新刊「ミチルさん、今日も上機嫌」(集英社刊)です。
一気読みって、一気食いと同じで、美味しくないとできません。
おわかりいただけるでしょうか。
原田ひ香さんがお書きになったこの「ミチルさん、今日も上機嫌」は、本当の上質なエンタテイメント小説です。
純文学の原田ひ香さんが、シナリオで培ってきたエンタテイメント性を思いっきり輝かしちゃっています。 

原田さんが書かれてきた小説は、すべて読ませていただいていますが、お世辞ではなくどれも大好きです。
すばる文学賞を獲られた「はじまらないテータイム」は、審査委員長の高橋源一郎さんが「シナリオを勉強してきたからこそ」と」おっしゃってくださったほど、純文学の枠を超えたドラマチックな小説でした。
「東京ロンダリング」は、私のもっとも好きな小説なのですが、事故物件を転々とする女性のお話なのですが、その話の運びのうまさ、人間の心のひだを見事に表現していく筆力にはいつも感心させられています。

 新刊の「ミチルさん、今日も上機嫌」は、今までのタッチとちょっと変えて、とてもおしゃれにアラフィフ女性の気持ちの変化を丁寧に書かれています。
アラフィフ、45歳気ままなシングルで、元亭にもらったマンションとわずかな貯金で食いつないでいる主人公のミチルさんは、バブリーな時代にいい思いをたっぷりと味わってきた女性です。
私もそうですが、バブリーな時代を過ごした人は、こんな時代にもどっかその残滓を持ち続けていて、バブル崩壊以降の年代とは、ちょっと違った考え方を持っているんですね。
ミチルさんの生き方には、とてもわかる気がして、「そうそう、あった、あった!」と思いながら、ミチルさんの心の変化に共感している私でした。「生きる」ことの意味が、「暮らしていく」ということの意味が、とても気持ち良い形で伝わってきます。
 

これって、ゼッタイ、ドラマにしたら面白い。主人公はだれがいいかな?
私の好みからいったら天海祐希さんかしら。
登場人物も老若男女そろっているし、人物造形がうまく、キャラクターがきちんとできているし、お話もドラマ的だし・・・。
手に取って、一気読みしてください。お勧めです!!
連ドラ企画を出したら、絶対通ります。
だって、一番テレビドラマ見ている年代に、ゼッタイ胸キュンさせて、共感を得るお話ですから。

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