シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。
シナリオ・センター代表の小林です。6月です。6月は、篠つく雨に紫陽花が良く似合います。でも、今日も真夏日。地球はどうなっちゃったんでしょうか。
定年時代という高齢者向け新聞が新聞の折り込みで入ってきます。
定年はまだしてはいない私は(笑)ふだんあまり真剣に読んだことはないのですが、今朝は、ふっと目が留まりました。
どっかで見たお顔が、しかも年配ではない、若いお顔がドーンと目に飛び込んできたからです。
土橋章宏さんでした。
6月21日公開の「超高速!参勤交代」の脚本家、作家集団の土橋さんが、映画のインタビューを受けていらしたのです。
「超高速!参勤交代」は、こんなお話です。
湯長谷藩に存在すると思われている金山を略奪しようと幕府は、果たしたばかりだというのに、湯長谷藩に絶対無理な5日以内で参勤交代をして江戸城登城を申しつけるのです。
すっかりその前の参勤交代で吸い取られ蓄えのない湯長谷藩、それでも登城しなければ取り潰される・・・貧乏藩が知恵を絞って、幕府の陰謀と戦い、あれこれ、道を阻む困難を乗り越えます。
湯長谷藩は、現在の福島県いわき市なのだそうです。この藩は幕末まで続いた藩で、代々名君がでて百姓一揆が一度も起こらなかった藩とか。
土橋さんは、映画の脚本を書くにあたり、東日本大震災と福島原発に苦しむ福島を訪れ、「先祖の侍たちが幕府の無理難題にもひるまなかった姿を見て福島の人はスカッとするのではないか」と思い、湯長谷藩を舞台にすることに決めたといいます。
まさに、福島の方々にストレスを解消していただける、そして、幕府(政府)の言いなりにならない勇気を与えてくれる映画だと思います。
ちょっと、話はそれますが、福島は、中間貯蔵所問題もそうですが、なにより故郷を奪われ、国を追われた方々がたくさんいらっしゃいます。
あれもこれもなにひとつ解決していないのに、何よりも優先しなければならないのに、集団自衛権ばかり急いでいる政府に、しっかり見てもらいたいですね。
戦争は人が起こすものですから、コミュニケーションの手段をしっかりと作れば何とかなるとはずです。
ですが、災害とも、原発ともコミュニケーションはとれません。
いつなにが起きてもおかしくない、コミュニケーションをとれない災害と向き合うことが先決かと思います。
湯長谷藩の殿様は、知恵を絞り、なんとお金も人もかけずに、無理難題の参勤交代を成功させ、幕府をギャフン!と言わせます。
決してお上に好きなようにさせない!!!
昔も今も同じです。この構図を打ち破り、スカッと爽やかな映画「超高速!参勤交代」、みんなで見ましょう。