シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。
シナリオ・センターの小林です。梅雨らしい毎日になってきました。
大雨で大変なところもあるようですが、くれぐれもお気をつけください。
車は30センチ以上水がたまると、脱出できなくなり、危険だそうです。
内館牧子さんの辛口エッセイをまとめて楽しめるエッセイ本がでました。
たくさんの週刊誌や新聞にエッセイを書かれていらっしゃる内館さんですが、この6月、おもいっきり内館さんらしいタイトルのエッセイ本がでました。
題して「毒唇(どくしん)主義」(潮出版社刊)
内館さんらしい色々なものとひっかけたタイトルに、思わずニヤリとしてしまいました。
大きなお病気をされたにもかかわらず、バリバリお元気な内館牧子さんです。
ここ10年ほどの間に書かれたエッセイから抜粋された本なのですが、色あせたことが全く書かれていず、さすがだと思います。
シナリオ・センターで講義していただいたときに、毎日エッセイを書くことを自分に課すといいと受講生に話されたことがあります。
エッセイを書くと、自分がどう考え、どう思っているのかがよくわかり、自分が書きたいシナリオが見え、毎日文章を書くことで力がつくとおっしゃっていました。
その通りだと、私もほぼ毎日このブログを書いていて思います。
私は、今何を喜び、怒っているのか・・・よく見えるし、書き出してみると、うまく書けなかったり、つながらなかったり・・・自分の考えや思いに何度も向き合います。
こうして書いているうちに、私は、何を想い、何をやりたいのかが見えてくる・・・私の場合は、「シナリオを日本中の人に書いてもらいたい、シナリオ力をつけてもらいたい」と思っていることがはっきりしました。
内館さんのエッセイは、辛口です。舌鋒の鋭さは類まれない、すごさです。
何より素晴らしいのは、どこかの議員のように逃げ隠れなどしようとせず、ご自分の書かれたことにきっぱり責任を持っていらっしゃる・・・これが人としての、大人としてのあるべき姿です。
言いたいことを言えば、必ず反発されます。
色々な考えがあることが当たり前なことを、ものごとに正解などないことをご存じない方が多いようです。
内館さんは、魅力的な大人の女です。真の大人、日本の文化が生んだ脚本家であり物書きです。
内館さんに、人間の生き方、己の視点、日本人とは、文化とは・・・根本的な大事なことを突きつけられた思いでした。
ご一読をお勧めします。
脚本家を目指すなら、ご自分の考え、想いをしっかりと持ち、伝える力を持ってほしいと願います。