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組織作り3つのポイント~学園祭実行委員の作り方~

シナリオ・センターの新井です。
東京電機大学さんで、学園祭の実行委員向けの研修をさせてもらいました。3月に1回目を実施しているので、今回で2回目。

今回のブログでは、学園祭を例に、協力して企画を運営する組織を作るための3つのポイントをご紹介。

もちろん、シナリオを使って。

学生でもビジネスパーソンでも、畏まった小難しい話をしても伝わりません。その点シナリオの発想と技術であれば、ドラマなどの具体的な例を引用しながら、何を考え、どうすればいいかがスッと入ります。

『シナリオをベースにすると、目標設定から具体策の落とし込みまで、学生にスンナリ入る感じでした』と学生厚生担当の下花さん。

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さて、学園祭を盛り上げる組織作りをするにはどうすればいいのか。
まず重要なのは、旭祭実行委員みんなが協力することです。
協力するためのポイントは3つ。

・何のためにやるか、みんなが知っている

・自分は何をやるべきか、それぞれが知っている

・どうやればいいか、それぞれが知っている

これだけ。
学生でもビジネスパーソンでも押さえるのは、この3つです。

この3つを押さえてないと、チームは動きません。
自分が、何のために、何をやればいいのか、具体的にわからないと人は動けないのです。

「結局、最後は役職のある奴だけが動き回っているみたいな・・・」東京電機大学の旭祭実行委員の委員長と副委員長のお二人がぼやきます。そうならないためにも、まずは全員で「何のためにやるのか」という大テーマを考えます。

 

①大テーマを、全員で共有しよう!

ドラマでは必ず、作者が伝えたいテーマがあります。「一番大きなテーマは、偉い人たちだけ知っていればいい」というのは、大きな間違え。組織の場合は、そもそも何のためにやるのかを、みんなで共有しなくては始まりません。

東京電機大学の旭祭実行委員約70名が、グループに分かれて考えます。そして一つの大きなテーマを作ります。今回の旭祭のテーマは「来場者に楽しんでもらい、東京電機大学のイメージUPをする」です。

大テーマが伝わると、来場者は帰り道に「また来たいね!」「東京電機大学に入りたい!」「思った以上に楽しかった!」とつぶやいてくれます。大成功です。

ちなみに、女子の割合を増やすためにも、女子学生にそう感じてもらえたら最高だ!というのが、実行委員の密かな総意です(笑)。

大テーマが決まったら、それぞれの企画のテーマを考えていきます。
この時のポイントは、企画のテーマは学園祭全体の大テーマと繋がっていなくてはなりません。たとえば「世にも奇妙な物語」の中に、単なるラブストーリーが入っていたら「ん?」となります。

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②企画実施を邪魔するカセを洗い出そう

企画のテーマが固まったら、そのテーマ達成のために邪魔するカセを探します。カセというのは、手枷足枷のカセです。
主人公があと30分で書類を届けなくてはいけないというのがカセです。

だいたい車に乗ると渋滞しています。このまま車に乗っていたら間に合いません。主人公は渋滞という邪魔なものを乗り越えます。そのために、だいたい走ります。必死な表情がいいわけです。

何か企画を立ち上げたら、カセが生まれるのは当然です。
問題なのはカセに対処する以前に、カセが出てきたら文句をいうことです。チームはカセを乗り越えるためにあるのです。カセに文句を言ったり、誰かのせいにしたりするのは本末転倒です。

授業の中では「ミスターコンテスト」を実施するとしたら・・・どんなカセがあるだろうか?を例に考えます。
再度グループになって、カセを探します。
イケメンを集めるカセ、お客さんを集めるカセ、お金のカセ、時間のカセ、実施人員のカセ、面白くできるかのカセ・・・様々なカセが出てきます。
青春はカセとニキビだらけです。

 

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③カセをどう乗り越えるかを考えよう

カセを洗い出したら、乗り越える方法を考えていきます。たとえば、ビジネスでもありそうなお金のカセはどう乗り越えるか。「新たに予算をつけてもらうのは難しい・・・」とあきらめたら、ドラマは終りです。学園祭もビジネスも同じです。

主人公はあきらめるのではなくて、カセを乗り越えるために自ら動かなくてはなりません。
カセを乗り越えるポイントは、

・確認することはないか ・依頼することはないか ・報告することはないか 
・交渉することはないか ・作業することはないか ・下調べすることはないか

を、整理することです。

お金のカセであれば・・・

・予算の有無を確認してみる
・他の企画費で圧縮できるところがないか、下調べする
・財務に他の企画費を削れないか交渉してみる
・他の企画担当に予算を削ることを依頼する、もしくは交渉する

あたりで活路を見出すことができるかもしれません。

何をするかが見えてきたら、

・いつまでに ・誰が ・誰に(どこの部署に)

やればいいかを決めます。

そうすることで、各自がなにをやるべきかが見えてきます。
どうやるべきかがわからないスタッフには、先輩が教えてあげればいいわけです。こうすることで、みんなで協力して企画を進めることができるのです。

学生主体の学園祭実行委員であろうと、何億円ものビックプロジェクトであろうと、押さえるべきポイントは同じだと思います。だってカセは必ず出てきますし、一人の力では乗り越えるのに限界がありますから。

3時間半、大学生が頑張ってくれました!

「一年生にとっては、まだよく分かっていなかった学園祭にどう関わって行くか、二年生以上にとっては、テーマに向けてどう学園祭まで進めて行くか。みんな、ボンヤリしてたのがいい感じになったんじゃないかな」と、前出の下花さん。

肝心の東京電機大学旭祭は、11月2日(日)、3日(祝)です。北千住駅徒歩1分。あと4カ月で彼らがどこまで素晴らしい旭祭にしてくれるのか。是非とも、見に行きたいと思います!

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