シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。
シナリオ・センター代表の小林です。経験したことのない台風は、どうなっているでしょう。どうも最近の気象庁の形容詞が、いまいちピンときません。確かに経験したことはないけれど、風速75メートルなんて・・・。
とにもかくにも、被害がないことを祈ります。
サマーセミナーは、満員御礼。ありがとうございます。
皆さんのほとばしるような情熱を感じて、この期待にこたえるべく、講師一同頑張っていきます。
今回のサマーセミナーの中で一番難しいのは、ゼミナールなのです。
というのは、ゼミ生の方は、いつもやっているシナリオのゼミと全く違う「経験したことのないゼミ」なので、戸惑われるかもしれません。
サマーセミナーのゼミは、お仲間の感想や批評を訊くのではありません。
ブレーンストーミング形式で、それぞれが、作品に対してサジェスチョンを、提案をしていただくのですね。
なので、自分の作品のことばかり考えていては、ゼミが進行しません。
こんな形で行います。初級・中級・上級に分かれてのグループづくりなので、91名の参加者のレベル人数によって、グループ編成は少しばらつきがありますが、ゼミナールは、1グループ13人前後で構成されています。
その中で、最初3~4人のチームで作品の読み合わせをします。例えば・・・
①チームA・B・Cさんの3人。
①チームの中で作品を回し読みして、Aさんの作品でB・Cさんが「葛藤」をいくつか考えてメモします。次にBさんの作品にA・Cさんが、次にCさんの作品にB・Aさんが。
チームでの読みが終わったら、Aさんからグループ全員にむけて作品を発表します。そして、B・CさんはAさんの作品に対してメモした「葛藤」を発表します。
①チームの作品と発表を聴いた残りのグループの方々が、私だったら・・・と「葛藤」をどんどんプレゼントしていき、膨らませていきます。
Aさんは、それをメモして、後日取捨選択しながら、長編づくりに向かいます。②③④チームも同じようにやります。
ここでのポイントは、他人の作品にサジェスチョンするということです。
ご自分の作品だと、どうしても主観的になりますが、他人の作品だと、ここにこういう「葛藤」をいれていけば、もっと面白くなるのにとか客観的に見ることができるのです。
この客観性こそが、プロへのインナーマッスルのひとつなのですね。
今回、私が一番皆さんにやっていただきたいことは、客観性を身につけるということです。
私が書きたいもの(テーマ)に対して、どう伝えるか、どう見せるかは、お客様に対してです。ここを学ばれると、魅力的な長編が生まれるというわけです。
「テーマや素材は素人とプロの差もない。違いが出るのはディテール、技術なのです」とジェームス三木さん。
大先輩のプロの言葉をかみしめて下さい。