シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。
シナリオ・センターの小林です。20日からサマーセミナーが始まります。あまり暑くないといいなあ・・・とそればかり願っています。
このサマーセミナーの表テーマは、面白い、魅力ある長編を書けるようにすることなのですが、私の中には裏テーマがあります。
このサマーセミナーで、客観性を身につけていただきたいと思っているのです。
シナリオで言うところの客観性とは何かというと、視聴者の、観客の眼で自分の作品を見ることができるということなのです。
そこができれば、魅力的に伝えることができるのです。
シナリオは、新井一がいつも例にとっていた世阿弥の言うように、「離見の見」「見所同見」が必要なのです。
「離見の見」自分と離れたところから自分を見る
「見所同見」見ている人(観客)と同じように見る
客観性ですね。
大ベストセラー「人は見た目が9割」の著者竹内一郎さんが、新しい本を出され、ご恵送くださいました。
「なぜ私たちは他人の目を気にしてしまうのか」(三笠書房刊)
「周囲の目」との上手な付き合い方を書かれた本です。
「他人の目」の上手な使い方、付き合い方を書かれていて、ひとつひとつなるほど!と思いながら読ませていただきました。
「客観性が必要」という話と、とてもリンクしていますので、是非読んでみてください。
本書で、先ほど述べた世阿弥の言葉も書かれていらっしゃいます。
こちらは「他人の目」の効用としてですが、これを持っている人は、自分自身を考えてもそうですが、あまり多くはいらっしゃらないと思うんです。
ほとんどの方は、「人にどう見られているか」を気にして病んでしまったり、本当の自分を出せなかったり・・・「他人の目」の障害に悩まされています。
それほど「他人の目」って、人として生きる上で大きなウエイトをしめています。
竹内さんは「他人の目が気になるから、日本という国は世界でも類を見ないほど治安もよく、経済も安定し、倫理観も保たれているのだと考えている」とおっしゃっています。
ようは、「他人の目」はうまく使えばプラスになり、下手に使うとどうにもならなくなるということですね。
私たちは、うまく使う方になりましょう。(笑)
サマーセミナーの裏テーマ、客観性はここにあります。