シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。
シナリオ・センター代表の小林です。いつまでも暑い東京ですが、そんなどころではない、広島の惨状は目を覆うばかりです。たくさんの方が亡くなられて、天を恨みます。
昨日、久しぶりに内館牧子さんとお食事を一緒にしました。
内館さんがお病気になって以来でしょうか。
心臓で倒れられたとお聞きした時は、いつも元気印の内館さんだったので、まさかととても心配したものでした。
お電話やお手紙では音信を取っていたのですが、実際に久しぶりにお会いしたら、とてもお元気になられていて、後藤ともどもホッとしました。
元気なバロメーターは食べっぷりです。
近くのフレンチでワインを飲みながら、お話を楽しんだのですが、昔ながらの健啖家ぶりに嬉しくなりました。一安心です。(笑)
そういえば3人でお食事をすると、食べる、飲む、食べる、飲む、食べる・・・とどまることを知らない食べっぷりだった昔を思い出しました。
内館さんは、現在、新聞連載説「終わった人」を書かれています。
「終わった人」は、大会社の役員手前で退職になった男性が主役です。
仕事から離れてしまうと、自ら「終わった人」になってしまいがちなのが常ですね。特に男性は。
主人公がどのように定年後の人生を生きていくか、そして、みずからが得たものはなんだったのか、内館ワールドが繰り広げられていきます。
内館さんは、シナリオ・センターに通ってよかったとおっしゃってくださいました。
自分が好きなことを自分の意志で続けていくことができるからだそうです。言われてみればそうですね。
会社勤めの方は、会社が終わりを決めます。
フリーランスは、自分が終わりを決めます。定年があるわけでもなく、もちろん常に仕事があるかどうかというリスクはあるけれど、自分次第です。
仕事だけではなく「終わらない人」は人生を楽しく過ごせます。
過日、シナリオS1グランプリをとられた87歳の前田さんに内館さんも感動していらっしゃったのですが、前田さんは60歳の定年後からシナリオを始められました。
そして、今が青春だとおっしゃりながら、楽しくシナリを書かれていらっしゃいます。
会社勤めであろうと、フリーであろうと、それぞれリスクも良さもあります。
仕事だろうと、趣味だろうと「終わらない人」でいることは、自分次第です。
「終わった人」になるか「終わらない人」なるかはすべて自分次第。でも、想像の翼には終わりがなさそうですね。
私自身も内館さんのお話を伺いながら、「終わらない人」になるためにどう生きるか、ちょっと真剣に考えようと思いました。
“二月の雪
三月の風
四月の雨が
輝く五月をつくる“
内館牧子さんからの言葉です。