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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

自閉症児をわかってもらうために全国上映を応援してください。

シナリオ・センター代表の小林です。今日は、出身監督の床波ヒロ子さんのドキュメンタリー映画の試写に行ってきました。

 そばにいるよ

先日もご紹介しましたが、あいち国際女性映画祭で上映され、大きな反響を呼びました。
この映画は「そばにいるよ!~自閉症(オーディズム)と車椅子の監督」
槙坪夛鶴子監督の最後の作品を撮り続けた姿を追ったドキュメンタリーです。
槙坪監督は、常に性や家庭、老いなどを弱者目線で、身近な問題として劇映画を作ってきた監督として有名な方です。
ご本人自身、重度のリウマチで常時輸血とインシュリン注射、車椅子での生活を余儀なくされながらも、今回、自閉症の子供を取りあげた「星の国から孫ふたり」を撮りました。
そして、
映画にすることで、多くの人に自閉症のことを知って、どういう対応をすればいいか、社会がやさしくなれるかを考えてほしいと願い、全国100カ所以上をまわり上映会を催してきましたが、2011年に亡くなられました。 

遺作になってしまった「星の国から孫ふたり」の撮影ドキュメンタリーを撮っていた床波ヒロ子監督は、槙坪監督の熱い思いを身近で感じ、その遺志を継いで、槙坪監督の想いをわかってもらえるように自閉症問題と槙坪監督のドキュメンタリーとして作りあげました。
こうして生まれたのが、「そばにいるよ!~自閉症(オーディズム)と車椅子の監督」です。

映画の中では、槙坪監督と自閉症児との関わりだけでなく、自閉症とはこういうものだということをじっくりとみせています。
自閉症というと引きこもりと思う方もいらっしゃったり、レストランで食べているときに、自閉症児の行動が気に障るから出ていってほしいと他のお客様に言われたり・・・様々な局面を見せながらも、社会に甘えずに、自閉症児をしっかりと社会と適応できる子供に育てようと頑張っているお母さんたちの姿を見せてくれます。

自閉症は脳の障害ですが、精神障害だとか親のしつけが悪いと勘違いされる方も多く、つらい思いをされている方々がたくさんいらっしゃいます。
床波監督は、きちんと自閉症が何たるかを知ってもらえるように、槙坪監督の弱者への優しい視線をそのままに、優しい映画を作られました。 

床波監督は「街中で泣き叫ぶ子は、もしかしたら自閉症児かも。そう思うだけで接し方も変わる。障害を理解し、一片の優しさを掛けてほしいと願った槙坪監督の想いを伝えたい」とおっしゃっています。

 早くから自閉症児だと気づくことで、成長させることはできるのだそうです。
「社会に負い目を感じて生きている」という自閉症児の保護者が多い現実を、少しでも暖かな目をもつためには、単なる同情ではなく置かれた現実を私たち自身もしっかりと見つめることではないかと思います。
強者だけが生き残る社会になりつつある昨今、この映画は神様がくれた警鐘ではないかと思います。 

104日から24日まで、下北沢トリウッド(03-3414-0433)でロードショー公開されます。130014501640 ※火曜日定休
是非、全国各地で上映会を開けるよう、多くの方々にお力添えをいただければと思います 

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