シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。
シナリオ・センター代表の小林です。秋の気配です。暗くなるのも早いし、朝晩は涼しくなりました。
さてさて、もの書きにとっては、良い季節となりましたね。
昨日は、周防監督のミソ帳倶楽部でした。楽しい一夜でした。
「舞妓はレディ」は20年も前から温めていらした企画だそうです。
京都の粋を伝えたいと思っていらしたのですが、普通に描いたら、京都の遊びの歴史を本当に知っておられる、京都文化の中にいらっしゃる方々には、到底敵わないとわかっていたので、周防流京都の粋は、ミュージカルで楽しく伝えようと思われたそうです。
一言でいえば、鹿児島と津軽のバイリンガルの女の子が京都で厳しい修業をして訛りを直して舞妓になったお話ですが、どうみせれば、楽しく、面白く、京都の粋を見せられるか・・・ここです。
これこそが切り口なんですよね。
20年間ためたエピソードを見直して、京都の行事と合わせて、シーンを作られたとのこと。
京都の四季折々の中に、思いっきり楽しいエンタテイメント映画になりました。
周防監督は大学時代の恩師から「映画は映っているものがすべて」と教えられ、それを肝に銘じているのだそうです。
ホントは、実は・・・と言ってもいけません。
「映画は映っているものがすべて」ですから。
これは皆さんのシナリオにも言えることです。
「シナリオに書いてあることがすべて」
よくゼミで、仲間や講師から指摘されて、「いや、ホントは・・・」とか「実はこうしたかったのだけれど・・・」と言い訳や説明をされる方がいらっしゃいます。ダメよ、ダメ、ダメ。
「シナリオに書かれていることがすべて」です。(笑)
周防監督は、他人の話を聴くことがと一番大事だと仰っていました。
他人の辛辣な意見をきちんと聞けること、これを聞けないのならライターはやめた方がいいと。
腹の立つことを言われたら、なんでそういわれるのかを考える・・・このハードルを飛び越えると、面白くなるのだそうです。
創作は、寄り道しながら、ちょっとずつ積み重ねて・・・何をどう伝えたいかが明確になっていきます。
いかに広がりを持つか、この視点こそが作家の眼、監督の眼なんですね。
シナリオ・センター代表 小林幸恵 著 BookBeyond http://bit.ly/Ue2KM7
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シナリオ・センター 堀江史朗 著 BookBeyond http://bit.ly/1kE1pb3『ラジオドラマの書き方』ラジオドラマの第一人者である堀江史朗氏による『ラジオドラマの書き方』。
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