シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。
シナリオ・センター代表の小林です。12月は、22日に終了するので時間がなくバタバタしている上に、来年の大イベント、創立45周年と新井一生誕100年の準備もあり、私の小さな小さな脳は早くもパンク状態になりつつあります。ご勘弁くださいませ。
少し脳内に風を入れようと、昨夜は伊東四朗生誕77周年記念「吉良ですが、なにか?」を観に行きました。
「吉良ですが、なにか?」は三谷幸喜さんの伊東四朗さんのための書き下ろしですので、その期待もあって、楽しみにしておりました。
かっては、森繁久彌さんをはじめ、三木のり平さん、伴淳三郎さん、フランキー堺さん、石井均さん、大宮デンスケさんなど綺羅星のように喜劇役者の素晴らしい方がいらっしゃいましたが、今や、伊東四朗さんは、最後のほんまもんの喜劇役者だと思っています。
伊東四朗さんは、石井均一座からはじまり、「てんぷくトリオ」で一世を風靡し、テレビではベンジャミン伊東で小松政夫さんとコンビを組み、子供たちに大人気を博しました。その後お仲間が亡くなり、てんぷくトリオは消滅し、お一人で喜劇からシリアスドラマ、バラエティと幅広く活躍されていらっしゃいます。
シリアスドラマの伊東さんもすごいですが、伊東四朗さんのすごさは、なんといっても間です。
本当に素晴らしい間を作られる・・・天性の喜劇役者だと思います。
なにを熱く語ってんだというかんじですが、本当に好きなんです、私。(笑)
このお芝居は、伊東四朗さんのために書かれたたごホン。
三谷さんが怖い顔の伊東さんにピッタリの吉良上野介役にされたので、実を言うと、はまり役過ぎて面白くないのではと思っていました。
ですが、戸田恵子さんはじめ芸達者な方々と丁々発止のやりとりに、久々に脳内風が爽やかに吹き渡りました。
元禄、松の廊下で切りつけられた吉良上野介のもとに、あわてて家族が駆けつける、だけど、場所は平成の現在の病院・・・元禄時代と平成時代が渾然一体になっているにもかかわらず、ちょっとシリアスでめちゃくちゃ喜劇で・・・うまいと思いました。
時代が渾然一体となっているにもかかわらず、不思議に思えないのはなぜかといえば、登場人物三姉妹とその夫、養子、愛人、秘書、医者のキャラクターがばっちりできていたからです。
喜劇は、勘違いや秘密、あべこべを使うのがある意味定番ですが、でも、一番大事なのはキャラクターなんですね。
新井一が書いた「駅前シリーズ」が東宝映画のドル箱であったのも、キャラクターが見事だったからです。
キャラクターがしっかりできていれば、役者さんも動きやすいし、アドリブを入れるにしても、そのキャラを使うことで必然となるし、相手も受け止められるんですね。
いつもキャラの話ばかりだとお思いでしょうが、私は一番大事なことだと思っているので、これからもしつこく言わせていただきます。キャラクター小林でした(笑)