シナリオ・センターの開講情報をお知らせします。ドラマや映画だけでなく小説、戯曲、漫画やアニメの講座の開講、コンクール対策講座もあります。
シナリオ・センターの新井です。
今年のシナリオ・センターは45周年&創設者新井一の生誕100年ということもあって、例年以上にテンション高めで1月から飛ばしています。
それもこれも、シナリオを書けるようになるうえで、よりよい環境をと思うからこそであります。(ちょっとエラそう)
一年の始まりということもあり、ちょっとした学び方のコツをご紹介したいと思います。ポイントは、学び始める前に自分は「アート」と「サイエンス」どちらを学びたいのかを整理しておくことです。
そう、キーワードは、「アート」と「サイエンス」という二つの言葉です。
アートというと、『芸術的な~』という仰々しいイメージがあるかもしれませんが、そんな大げさな話ではなく、経験とか感覚とかで実感するものと考えていただければと思います。
例えば、「猫は飼い主の顔を判別しているか否か」という問いがあるとします。
さて、猫好きの方もそうでない方も考えてみてください。
猫を犬に変えてみても結構です。
ちなみにシナリオ・センターは、社長は犬派、シナリオ教室編集長は猫派です。事務局的には猫派がちょっと多いです。
後藤所長は、動物全般がNG。
本題です。さて、猫は飼い主の顔を判別しているでしょうか。
多くの方が、「判別しているよ」と思うかもしれません。
これ、「アート」です。
よくよく考えてみると、根拠は「そんな感じがする」「名前を呼べばこっちを向く」と言うかもしれません。
「アート」の特徴は、「経験的にそう思う」や「感覚的にそうでしょ」ということです。
一方で、「サイエンス」という言葉があります。『科学的には~』という感じです。
「猫は飼い主の顔を判別しているか否か」という問いに対して、数々の実験などを繰り返し、論証していきます。
「サイエンス」の特徴は、「誰がやっても同じ結果になる」ということです。
たとえば、猫が苦手な後藤先生が実験してみても、猫好きな編集長が実験してみても同じ結果になるのです。
シナリオ・センターの講座は、「サイエンス」を中心にお教えしてきました。
「シナリオ作家養成講座」の内容も、「シナリオ8週間講座」の内容も、「シナリオ通信講座」の内容も「サイエンス」です。
この講座を受講すれば、誰がやっても同じように、魅力的なシナリオが書けるようになるというのが特徴です。
では「アート」は今までやってこなかったのかというと、そうでもありません。
『Theミソ帳倶楽部』がまさに「アート」です。
『舞妓はレディ』の周防監督、『おおかみこどもの雨と雪』の細田監督、『舟を編む』の石井監督、『日々ロック』入江監督、『横道世之介』沖田監督など、ベテランから新進気鋭の監督まで、多くの監督さんやプロデューサーさんなど様々なゲストにお話をして頂きました。
ここで聞けるお話は、「アート」です。撮影された映画などを題材に、ゲストの経験のお話しが中心です。
シナリオ・センターの基礎講座が「サイエンス」だとすると、足りないのは「なるほど、この監督はこうやって映像にしたんだな」「脚本を書く時には、ここをポイントにしているんだな」という、現場での経験論です。
一方、『Theミソ帳倶楽部』が「アート」だとすると、足りないのはゲストの話を聞いても「誰がやっても同じ結果になる」という再現性です。ゲストに聞いたやり方がはまる方もいるかもしれませんが、はまらない方もいます。
「アート」と「サイエンス」とは、まったく異なるものです。
そのため、なにか学び始めるときのポイントは、「アート」を学ぶのか、「サイエンス」を学ぶのか分けて考えるということです。さらに言えば、自分にとって必要なのは、「アート」を学ぶことなのか、「サイエンス」を学ぶことなのかを考えるということです。
例えば、ランニングを始めようと考えたとします。
ランニングについて学ぶといっても、体に負担をかけないフォームを学ぶのか(サイエンス)、ランニングのすばらしさを学ぶのか(アート)では、学べることは大きく異なります。
そのため、「よし!シナリオが書けるようになろう!」というときにも、「アート」と「サイエンス」のどちらを学びたいのかが重要です。
シナリオ・センターは、誰がやっても同じように面白いシナリオが書けるようになる技術をお教えするというサイエンスの部分は、45年間、「シナリオ作家養成講座」「シナリオ8週間講座」「シナリオ通信講座」を通して、そしてゼミを通して押さえられるようにしてあります。
「アート」について、今年は特に力を入れていきます。一つは『Theミソ帳倶楽部』の充実です。今年は、45周年ということもあり、かなり豪華ラインナップのゲスト陣を予定しています。
また2月には『シナリオも小説もどれも美味しいよくばり講座』をご用意。現在売出し中の出身ライターから、どのようにシナリオ・センターでの学びを活かして現在に至るのか、お話を具体的に伺います。
「アート」も「サイエンス」もどちらも重要です。ベストなのは、どちらも学んじゃうということです。
両方のいいところを取り込んで、成長の糧にするのが、あなたの学びを活かすコツだと思います!
2015年の大晦日に、「今年は充実していたなぁ~」と思えるように整理しながら取り組んでいくといいのではないかと思います。