シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。
シナリオ・センター代表の小林です。悲しいニュース、腹立たしいニュース、不愉快なニュースがどんどん降り積もっています。ほんものの雪も降るらしい・・・。
亡くなられた後藤さんのジャーナリストとしての視点は、いつも「子供の幸せ」。戦争をなくしたいと、子供たちの窮状を伝え続けていらしたそうです。
遠い国の見知らぬ人、見知らぬ子供へ想いを馳せる決してぶれない視点、見習いたいです。
同じように他人のために生きた方がいます。
山形の豪雪地帯、月山のふもと無医村でへき地医療に命を懸けた志田周子さん。
へき地医療は24時間体制。豪雪の中病人の元へ駆けつけ、子供のために校医になり、多くの命を助けて続けた志田周子さんを忘れたくない・・・と生誕100年を機に「志田周子の生涯を銀幕に甦らせる会」ができ、それから4年経てやっと映画化が実現しました。
この映画は、出身ライターで山形出身の阿部美佳さんが小説化し、脚本も手掛けます。
2015年秋上映を目指して、撮影中ですが、主役は平山あやさん。楽しみですね。
この映画を盛り上げ、多くの人へ周知したいと様々な催しも行われています。山形の大井沢伝統前句会という催しも行われました。
前句というのは、五七五七七の七七が決められていて、五七五のみ創るというものです。
「数知れぬ人々癒し色褪せた(いしゃ先生の往診かばん)」
「患者待つ部屋と手そっと温めて(せいより⾼く雪の降る朝)」
「無医村に希望の道を切り開く(いつも元気ないしゃ先生)」
高校生が創り、「いしゃせんせい」の頭をとった七七に合わせて、7句が選ばれ、賞品として地元のこけし職人志田菊宏さんが創られた「周子こけし」が贈られたそうです。(句は一部のみ掲載)
このこけし、すごくかわいいですよね。非売品なのが残念!
映画の上映に合わせて販売してほしいです。
そういえば「こけし」って何だか知らない若者がいました。「こけし」ってそんなに知られていない?ダメよ、ダメダメ!!日本の伝統工芸ですから。
今日は、阿部美佳さんが、山形上山温泉の名旅館「古窯」で講演をされるそうです。
「町おこしは人間おこし~映画いしゃ先生に賭ける思い~」
阿部さんは「雪まんま」という小説でも、東日本大震災後の農村おこしのお話を書かれています。
私は、この本も映像化して欲しいんです。これからの日本の農村に明るい未来を創る本なのですから。
阿部さんは、人が結びついて様々なことができると小説でも、この映画でも語られていますが、人とのつながりを作っていく・・・すてきなことですね。
志田周子さんの想いが、多くの人を動かしたように、阿部さんの遥かな人へと想いを馳せる、想像の翼が、おなじようなお名前の方へと飛んでいって欲しいと願ってやみません。