シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。
シナリオ・センター代表の小林です。陽射しはとても春らしいのに冷たいです。日本海側の方々は雪で大変のようですが、大丈夫なのでしょうか。まだまだ春は遠い気がしますが、それでも近所の梅が三分咲きに。こんなちょっとしたことで、ふと気持ちが明るくなる、なんと心のすばらしいこと。
昨日の東日本大震災追悼式典で、15歳のお嬢さんがお母様を置き去りにした辛い経験を話されました。どうすることもできない状況であっても、わずか15歳の少女がこの決断をしたことがどんなにか辛くものすごい想いだったかと思うと胸がつぶれます。
この4年間どんな想いで過ごし、前を向こうとしているのか・・・19歳の彼女に、頑張ってなんていう言葉はかけられません。
このお話しを聞いた安倍首相は、どう感じられたのでしょうか。日本のトップであれば、誰よりも重く受け止めなければならないと思います。
被害にあっていない者は、傷を負った人の心を想像しなければいけないと思います。
復興というのは目に見えるものだけでなく、一番大きいものは心です。
もちろん、あの前の日には戻れはしないのですが、前日までの生活、心のありように近づける努力はしなければならないと思います。
生活ができるだけでいいと思わないでほしい。
しかも心の傷は、震災前日まではなかった傷ですから。
このことに、少なくとも上に立たれる人は、しっかりと目を向けて欲しいです。
そうすれば、お座なりの復興策などは立てられないはずですから。
朝日新聞のひととき欄で、石巻の方が詩を書いていらっしゃいました。
3・11に
海辺で待つ
まだ帰らぬ人を待つ
海辺に立って
沖をながめやる
そっと水に手を入れる
手をつなげるように
海のどこかにいる人と
あの日、どこかへ突然に
行ってしまった人と
つながるために
波が運んでくる、あの人の
声とぬくもり
波が伝えてくれる
まだ帰らぬ人を待つ
ここ3・11の地で
じっと、
そっと、
静かに待つ
どこかにいる
鳥や、月、太陽が知っている
自分は水に手を入れて、
感じるだけだ
帰らぬ人を、
これ以上ふやしたくない
待ちたくない
戦地に人を送って