シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。
シナリオ・センター代表の小林です。昨日曜日は124期シナリオ作家養成講座の説明会でした。
日曜日の午後だというのに、お花見にもおいでにならず、センターへ集まりいただいた参加者の皆さん、ありがとうございました。
会場いっぱいのシナリオを書きたいと思っていらっしゃる方々のお顔を拝見しながら、ドラマが低迷していると言われながらも、まだまだドラマに可能性がたくさんあるという想いを強くしました。
よかった、本当によかった・・・。
ドラマが人気を失ってしまったのは、何故なのだろうか。いつも自問自答するのですが、なかなか答えは出ません。
ただ、ここ10年近くの傾向として、ドラマが映像の特性を活かしていないような気がします。
セリフは大事です。セリフが上手い脚本家は見せ方もうまいし、魅力的な脚本を書かれます。
1月期のドラマ「デート」の古沢さんや、「ゴーストライター」の橋部さん、「ウロボロス」の古家さん等たくさんいらっしゃいます。
岡田惠和さんの「最後から二番目の恋」のセリフは、それぞれのキャラクター、背景事情をしっかり出して、だからこそ弾む芝居になっています。
ただ昨今の傾向として、あまりの安易に、セリフで、ナレーションで、心の声で説明してしまう・・・ここは見せ場でしょ!というところまで。そんなドラマが多い気がするのは、私だけでしょうか。
小説ではないのです、ラジオドラマではないのです。
全てを語らない、映像で見せる、わからせる、余韻を持たせる、視聴者が想像できる余地を創る、映像の特性を使って、映像でしかできない表現方法をもっと大事にできないのだろうか、ト書の部分、ディテールを描けないのだろうかと思ってしまいます。
間違えないでほしいのは、セリフが多いのがいけないと言っているわけではありません。説明しすぎないでと言っているのです。
だって、セリフで説明しちゃったら簡単ですからね。
基礎講座のセリフの進化過程で、説明せりふでは、見ている人の感情は揺さぶられない、いかに感情せりふにするか、ウルトラ級の情緒セリフにするかをお教えしています。
セリフが生きるのは、その前後のト書がうまいかどうか、映像表現ができているかどうかもカギです。
124期シナリオ作家養成講座では、しっかりと映像表現をお教えしてきたいと思っています。
桜がもはや満開です。桜はそこでただ咲かせることで己を語ります。そんな素敵な表現ができたら・・・最高ですね。