しゃれおつなお店や人々が行きかう街、表参道。そこで働くシナリオ・センタースタッフの見たもの触れたものをご紹介します。
シナリオ・センターの新井です。
今年1月27日に、J-WAVEさんのGratitudeという番組のTOKYO GROWSという番組に出演させていただきました。 コーナー自体は10分ちょっと。たった10分が、気づけばすごい10分だった…今更ながらに、思ったのでご報告です。 なんと、番組は今日が番組最終回。とってもさみしいですね。
これ、新井の個人的な思いです。すみません。
「新井さん、J-WAVEの方からお電話です」と、1月19日の夕方頃にお電話を頂きました。 J-WAVEがなんで?と思いつつお話を伺うと、10分ちょっとのコーナーで、45周年を迎えるシナリオ・センターってどういうところか、一億人のシナリオ。プロジェクトでは、どんな取り組みをしているのか、そして2020年の東京にとって、その活動がどんな意味があるのかを話してほしいということでした。
「それ、10分で話すのチョー難しそうなんですけど…」
電話でお誘いを受けながら思いました。 しかも収録ではなく、生本番がいいと。
「それ、チョー緊張するやつだと思うんですけど…」
ですが、せっかくの機会です。いっちょ、やってみるかと思いました。 正直、どうせ私が出たところで、誰も真剣に聞いちゃいないだろうしと内心思いつつ。
J-WAVEさんからの電話を切って、
「なんか、番組で話をしてほしいんだって」
と、シナリオ・センターの事務局で話すと、女性スタッフの中川と青木が色めき立ちます。
「え、マジで。え、マジで。なんて番組?なんて番組?」
「え、レイチェルと新井さん、話すの?会うの?」
「J-WAVEに新井さん、行くの?ってか、新井さん出るの?」
一通り興奮し終えたスタッフは、「すご~い」と歓声を上げはじめます。 「え、そんなにすごいことなの?」と状況を飲み込めない私。
「すごいよ~、だってJ-WAVEだよ!」とまくしたてる、いつもあまりしゃべらない中川さん。中川さんって、テンション上がるときがあるんだぁと、中川さんの表情をぼんやり見ながら、
「いや、とはいえ10分ちょっとらしいし、そんなにきいてないっしょ」
と、言う私の言葉は、「そんなことない」と諭すように、セリフを置きに来た中川さんに粉々にされました。
そして思うのです。やっぱりそうか。やぱりJ-WAVEはみんな聞いてるか。10分とはいえ、責任重大か…と。
「誰も聞いてないから」を心の慰めに、緊張しないようにしようとしたのに、電話を切ってものの3分でその野望は打ち砕かれました。
家に帰って、そのことを奥さんに報告すると、これまたハイテンション。 高まる周囲のテンションに、私の緊張感は高まります。
「今更、逃げられないからな」と自分を納得させつつ、けやき坂スタジオに向かう当日。 なぜか、中川さんも私のお世話係として、一緒にスタジオに向かいます。そう、単なるミーハーです。
スタジオに入ると、想像以上に小さな空間でした。8畳くらい?の空間に、録音ブースと機材がギュッと置いてあって、その後ろに流しやお手洗いまで完備されていました。 打合せ用のテーブルは、通路の隅にちょこんとあって、コーヒーカップとA4用紙を置いたら、もう一杯。そこに腰かけると、通路を通る人は、「すいません」と言いながらすり抜ける感じです。
「閉所恐怖症だと、ちょっと辛いかもですが大丈夫ですか」
と、スタッフの方が気遣ってくるくらいです。 そんなスペースに、たぶん8人くらいの大人がひしめき合って作業をしています。しかもみなさん、おしゃれなんだな、これが。
とくに、番組の音楽を担当されている方は、見た瞬間に「あ、絶対音楽のひと」とこちらが思うような感じ。ミュージシャンオーラみたいなのが溢れてる、昼から麻布で白ワイン飲んでそう、そんな感じでした。
ディレクターの方から事前に頂いた構成表をもとに、話す内容をディレクターの方と番組開始の30分くらい前から詰めていきます。番組パーソナリティーのレイチェルさんとは、いつ、話を詰めるのかなぁと思っていたら、ほとんど打合せなし。番組開始5分くらい前に収録ブースの中に入り、
「ざっくりこんな構成ですよね~」
と笑顔を頂き、気づけば本番。
けやき坂スタジオから見る外の風景ってこんななんだぁと、と気持ちをはぐらかしていたら、すぐ本番。
え、この曲終わったらもう本番?ってくらい、すぐ本番。
あぁ~この入り、知ってる…と思っていたら、もう私、紹介されています。
放送を聞いた友人の話では、冒頭「こいつ、大丈夫か」と心配になったとか。 ですが、番組中盤からは持ち直してたな、とも言われたのでとりあえず大丈夫だったのでしょう。
何とか無事に生放送を終えました。 レイチェルさんと打合せをしないのは、レイチェルさんが素のリアクションができるようにだったのかもしれません。
「ストーリーのパターンの話聞いた時のレイチェルのあの顔。ウケる」
と、ディレクターさんも、笑っていましたし。
もしも私が、全然しゃべれなかったら、どうなってたんだろうと、今思うとそれはそれで恐ろしいのですが…
放送終了後に、レイチェルさんと並んで記念撮影。 レイチェルさん、とっても気さくでいい方でした。もちろん話しやすいですし。話のプロっていうのは、何気ないところに気づかいや工夫、技術があるような気がしました。なんせ、相手は素人なんですから。
放送を聞いた奥さん曰く、
「レイチェルさんの相槌の入れ方とか、間の取り方とかすごいよね」
と、緊張した旦那を置き去りにべた褒めしていたくらいです。
スタッフの方も気さくで、私の話自体を楽しんでくれたようで、中川曰く、ブースの外でみんな笑ってたよとのこと。 とりあえず、読んでくださった方々に、「あいつは呼んで失敗しただった」と思われずに終われたことにホッとして帰路につきました。
放送のアーカイブはこちらから。http://www.j-wave.co.jp/original/gratitude/tokyogrows/index_0375.html
番組に出演させて頂いた2日後の木曜日、半年間の123期シナリオ作家養成講座が開講になりました。半年間で、9万5千円の講座です。期間も費用も、即決できるようなものではありません。
なのに! 「J-WAVEを聞いて」入学を決めましたという方が、3名いらっしゃいました。2日後ですよ。2日後。スタッフみんな、びっくりです。その後の入学締切期間まで、さらに2名の方が来られました。合計5名の方に入学していただきました。
さらに、2月7日から「シナリオ8週間講座」が開講になりました。2か月間で、2万5千円の講座です。もしかしたら、また「J-WAVE聞いて」入学される方いるのでは?と淡く期待していたら、いらっしゃいました。
6人くらいいらっしゃいました。
さらに、さらに、3月24日から開講の「シナリオ8週間講座」にも、2名の方が「J-WAVEを聞いて」入学してくださっています。
さらに、さらに、さらに、まだ開講前ですが、4月18日から開講の124期シナリオ作家養成講座にも、お申込み頂いている方の中に、「J-WAVEを聞いて」という方が何名かいるようです。
J-WAVEさんが入学のきっかけという方が、すでに10名以上いるということです。恐るべし、J-WAVEの10分間。シナリオ・センター内では、毎週出してもらいなよっというわけのわからない話まで出ています。
さらにゼミ生の方にも、お仕事の関係の方も「ラジオ聞いてたらシナリオ・センター」っていうから、びっくりしました。という言葉を頂きました。やっぱり、みなんさん、聞いてるのですね。J-WAVEさん。
いままでシナリオを書くっということを考えたこともない方に、「シナリオって楽しいよ。書くと、想像力と創造力が豊かになるよ」ということを伝えられたのかもしれません。
そんな機会をくださったJ-WAVEのおしゃれなスタッフの方々には、感謝しかありません。 残念なことに、私が出演させて頂いたGratitudeは今日で最終回だそうです。
人に、行動を促すっていうのは、とても難しいことだと思います。
それができてしまうラジオの魅力。そしてJ-WAVEさんの魅力。制作されているスタッフさんの魅力。
そんな魅力に助けられて、いままで届かない人にシナリオというものを届けさせてもらいました。4月からもステキな番組を届けてもらえたらと思います。