シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。
シナリオ・センター代表の小林です。昨日の写真は、山椒です。なんだ?とびっくりされた方も・・・。(笑)ちょうどたくさん山椒をいただいたので、春だなあと思って。
なのに・・・今日も花冷え、格段に寒いです。
この寒い中、全盲の友人田村さんが遊びに来てくれました。
中途で光を失ってから15年、シナリオ・センターに通ってから10年。見えない目でシナリオを書き、ザ・スーパーマーケットという健常者と障害者の橋渡しのサークルを作り、朗読会、コンサート、研修会を開催するという精力的な彼女との出会いは、私にとって人生の師を得た思いでした。
その彼女が、またシナリオを再開して、通いたいとのこと。どこまでも、頑張る彼女に脱帽です。
障害を持つということは、大変なことだと思うのですが、それをおくびにもださずに様々なことに向っていく姿を拝見するにつけ、自分の弱さを感じます。
今日も、田村さんが「やらない理由をつけるのは、みんなうまい」という話をされ、同じことをよく受講生の方には申し上げている私ですが、田村さんに言われるとひたすら己を反省してしまいます。(笑)
作家集団講師高山由紀子さんが「吉原代筆人 雪乃」シリーズの第二弾「花魁くノ一」(角川文庫刊)を出されました。
「花魁くノ一」は、前作の「吉原代筆人 雪乃 (1)色もよう」「(2)みだれ咲」「(3)繚乱の海」3作に続くもので、代筆人雪乃とくノ一丸山のふたりの運命が交錯するお話になっています。
廓の女たちの悲しみや辛さの中で、雪乃は代筆人として、丸山はくノ一として、それぞれの形で廓の女たちに寄り添いながら、まだ見えぬ事件の真相へと向かっていきます。新たに出てきた花魁くノ一丸山というキャラも面白い。長崎の丸山遊郭の花魁だったというのが売り。花魁だったという丸山の素性はまだ判然としない・・・謎に包まれながら、雪乃と関わり合って、次へまだまだ続くお話なので、早く出てほしいです。
高山さんの「花魁くノ一」はもちろんのこと、先日ご紹介した土橋さんの時代小説「遊郭医光蘭 闇捌き」も、鷹井伶さんの「廓同心 雷平八郎」もなぜか遊郭舞台。
でも、遊郭ひとつとっても、色々な切り口、キャラクターがあるのですね。これこそが作家の目。
作家の目こそ、命です。