子どもからお年寄りまで、すべての人にシナリオの力を!
あなたの毎日に役立つシナリオの活用例がここにあります。
シナリオ・センターの新井です。
今回のブログは、いつもとちょっと趣向を変えてインタビュー記事です。
どこの、誰にインタビューしてきたのかというと、東京都港区西新橋の株式会社パクレゼルヴで代表取締役社長を務める川本聖子さんです。
川本さんと私は、飲み友達。
ある時「恋愛ゲームを作っているんだけど、ライターさんにこうしてほしいというお話をする際に、『もっと、キュンとくるような』とか感覚的な指示になってしまう。感覚的な指示だと、ライターさんとイメージの共有ができなくて、いい直しが返ってこない」と悩まれていました。
そこで、「じゃあ、うちの講座を受けたらいいじゃん。安いし(笑)」と軽く言ったのがきっかけで、川本さんの会社では、シナリオ・センターの「シナリオ8週間講座」を社員教育の一環として活用してくれています。
パクレゼルヴさんは、モバイルに特化したコンテンツメディア企業。デコメやゲームを中心にコンテンツの提供や、「恋愛悪魔録」「放課後アリスはキスをして♡」「UKISSと私の365日記」などの乙女ゲームの提供をしています。
皆さんも一度はサイトにアクセスしているかもしれません。
「いえ、今まさに恋愛ゲームに夢中です」という方もいるかもしれませんね。
株式会社パクレゼルヴ公式サイトはこちらから http://pakureserve.co.jp/
そんなパクレゼルヴさんが、「どうしてシナリオを社員に学ばせ、職場でどのように活用しようと思ったのか」そして「スタッフの方にもシナリオ8週間講座を受講してどんな変化があったか」を、新井と松本(構成・文)で聞いてきました。
題して・・・
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さて、訪問した新井と松本を迎えてくれたのは、シナリオ8週間講座を受講された社長の川本さんとプロデューサーのYさん、ディレクターのKさん、デザイナーのMさんの社員の方々。 |
新井 川本さんは2012年10月のシナリオ8週間講座を、先頭に立って受講してましたよね。
なんでご自身もシナリオを学び、スタッフの方々にも学ばせようと思われたのですか?
川本 実は、事業を立ち上げてから、短期間で一気にメンバーを育てなければならない状況でした。
しかし、社内の伝達という方法だけではフォローできないし、教育のスピードアップも計れない。
そこでシナリオ・センターの力を借りようと考えました。それには、私自身も学ぶべき。
それで私もシナリオ8週間講座を受講しました。
新井 忙しいのに、偉いですね~自分も学んで、スタッフにも育てもらっちゃおうと(笑)
さすがです。
Yさんは、川本さんと一緒に受講されたんですよね?
Yさんはサイト全体のプロデューサーでありシナリオも書かれているそうですが、
シナリオの仕事は以前からされていたのですか?
Y いいえ、まったくの初めてでした。
入社して一カ月後に社長から「シナリオ講座に行くよ」と言われた時は
「えっ!シナリオ? 私? 私で大丈夫なの?」って感じでした(笑)
新井 しかも社長と一緒ですしね。
ということは、シナリオ8週間講座で初めてシナリオに出会った。
Y はい。今までは携帯サイトでショッピングやニュースサイトのプロデューサーの経験はありました。
でも、ゲームの仕事は初めて。
「シナリオとは?」そんな思いがあったのです。ましてや脚本家やライタ―の仕事はとても凄いこと、
難しいことというイメージがありましたので、それを私がって……。
楽しみと不安でドキドキでした。
川本 実は私以外、恋愛ゲームを作るのは全員初めて。
その結果、ライターさんとのやり取りで苦戦したということも多々あったんです。
ディレクションが感覚的になっちゃって……ですから、とにかくシナリオ・センターで学べと(笑)
まあ、シナリオ8週間講座が終わった時は一同、ドヤ顔でしたけど(笑)
新井 そんなプレッシャーの中、講座を受けてどうでしたか?
Y 凄く楽しかったです!
そこで自分自身の新たな発見もしました。私は海外ドラマや映画を見るのが大好きなんです。
シナリオの講義を聞いきながら、日頃からただ単に物語を面白く見ているのではなく、
自分が映像を作る立場で見ていた事に気づいたのです。
新井 どういうことですか?
Y 例えば、ドラマの中で“鍵”が出て来たとしますよね。その鍵が物語における伏線だとか、
要だということをいつも自分が意識してたんだ。ということに気づきました。
シナリオは映像で表現すること。そう思ったら、自分の今までの経験と結びつきました。
その瞬間、シナリオに対する考え方がすっきりしました。
勝手にシナリオを難しく考えてたんだなって。
シナリオは本当に面白い。そう思えたのですぐに入っていけました。
新井 おぉ~それ、すごい発見ですね!シナリオを学んで最初に感じるのが、
意識せずに観てたドラマや映画の技術に気づくことなんですね。
意識的に観れるようになるというか。
Y わかります。私も同じことを感じました。
新井 Kさんは2013年8月シナリオ8週間講座を受講ですよね。いかがでしたか?
K 僕の場合、まさに「恋愛悪魔録」を作っている真っ最中に行きました。
講義では、キャラの履歴書を作るっていう言葉にインパクトを受けました。
それまで、趣味で作ってるようなときは行き当たりばったりの物語になってしまって……
「恋愛悪魔録」を作っている時に、このままだとヤバイと思っていた時に講義を受けて、
キャラがぶれているからダメなんだと気づいて……
だからこいつは前に進まないんだと(笑)
新井 最初に、一番大切なことに気づいたんですね。切羽詰まって(笑)
Kさんはシナリオディレクターとして、プロットも作られるそうですが、
今までに勉強されたことはあったのですか?
川本 実は、Kは今年の新卒です。元々エンジニアとして採用しました(笑)
ところが高校時代に詩や物語を書いていたという事実を知りまして、
読ませてもらったらとても面白く書かれていたんです。
ですから前例のない配置転換をしました。(笑)
新井 理系からいきなり文系に? その時、Kさんはどう思われましたか?
K うれしかったです。
新井 えっ!
K 将来、創作にかかわる仕事をしたいという夢があったんです。
こんなに早く現実になるとは思っていませんでした。
ですから、シナリオ・センターには、僕が行きたいと言ったほどです。
僕は、「アリス」の途中から仕事に携わったのですが、
「恋愛悪魔録」をゼロベースで始めた時に「自己流では駄目だ」と強く感じました。
新井 とはいえ、シナリオ・センターでは映像シナリオの講義です。
そこの違和感はありませんでしたか?
K 確かにシナリオ・センターは、映像ベースで話をされるので、
最初はゲームにどういかしたらいいのだろうと戸惑いました。
でも結局、物語だけ考えていると文字しか見えないんです。
けれど、映像をイメージしながらプロットを書くと、単なる小説を書いてる意識から
ゲームを作ってるっていう意識に一気にスイッチが切り変わりました。
Y 私も映像を先に学んだことは大きかったです。
絵を先に想像することで人物の動作、仕草が書きやすかったです。
特に絵に不自然さがでない。リアリティーを追及するためにも必要ですから。
新井 映像を意識できるようになったことが、お二人にも大きかったんですね。
Mさんはいかがでしたか?
キャラクターのデザインを担当しているデザイナーという立場で受講されてどう感じましたか?
Kさんと同じタイミングですよね。一番、シナリオから遠いような気が……
M 私は入社した時に、シナリオもウェブデザインもキャラクターも描いてみたい!
と、面接のときに話したのがきっかけでした。
元々、シナリオに興味があったので基礎を学ぶことが出来て非常に勉強になりました。
一番感じたのは、シナリオを分解して人物の性格を反映できるようになったことです。
新井 YさんやKさんとは、まったく逆の考え方ですよね。
絵を想像してシナリオを書くのではなく、シナリオから絵を想像させる。
しかし、ウェブデザイナーからシナリオを学んで絵を描くのは凄いことですね。
川本 Mの場合はすごく熱意と努力が伝わってきました。
最初からいろんなことに挑戦してみたいという意欲はあったのですが、
最初はウェブデザイナーで採用しました。でもある日、絵を書いてみる?(笑)
というところから始まりました。
新井 ここでも川本マジックが炸裂したわけですね(笑)
川本 いえいえ、イケメンを書くのもなかなか難しいんですよ。専門性が必要なので。
会社としては書いてくれる人が傍にいるということはありがたことなのですね。
細かい部分を調整しやすいので非常に重宝しています。
なによりも彼女自身が成長も見られて応えてくれる人材だったことが今は大きいですね。
M 趣味として絵は書いていましたが、仕事としてチャンスをもらえました。
描かせてもらえたことにとても感謝しています。
新井 チャンスをもらえるのもすごいですし、チャンスを活かすのもすごいですね!
川本 シナリオ・センターで学ばせることは、実はもうひとつ大切な目的がありました。
常々、自分も含めてモバイルコンテンツ業界でモノ作りを行っている人間は、
製作の基礎をしっかり学んでいなのではないか?と感じていました。
ネットで調べて作る、それをとにかく早く作る。早く作れば売れる。
そんな風潮が業界全体にあると感じていました。
一方で、モバイルゲーム業界も成熟してきて
真面目に学ばないとそう簡単にいいものは作れないということにも気がついていました。
ユーザーの方に「面白い!」と想ってもらえないという思いがありました。
作品をリリースする速さだけではなく、作品のクオリティーの良さでユーザーに届けたい!
だから、きちんと学んで欲しかったんです。
それにシナリオ・センターというシナリオを学ぶ場があって、学ぶ人がたくさんいて、
そうやってものが作られてるということを社員に感じて欲しいという思いがありました。
新井 それに……
川本 受講料が安いですし(笑)
「いい作品を作りたい!そのために、スタッフにシナリオの基礎を身につけてほしい」という川本さんの強い思いが感じられました。
その思いをしなやかに美しく伝える川本さんの人柄、川本さんの思いに応えるように学ぶ意欲、吸収して成長しようとする意欲がある社員の方々、ステキな会社だなぁと思ったと、インタビューに同行してくれた松本も話していました。
川本さんの社員の適性を見抜く力、自由な社風、チャンスの多い職場が、より良い作品を作るための土壌になっているようです。インタビューも和気あいあいとすることができました。
次回は、シナリオセンターで学んだことが、現場でどのように生かされているかを報告したいと思います。
Vol2についてはこちらから
インタビュー 新井 / 構成・文 松本
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