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しゃれおつなお店や人々が行きかう街、表参道。そこで働くシナリオ・センタースタッフの見たもの触れたものをご紹介します。

苦しいことも楽しいこと・・・【講師突撃インタビュー!森講師編・前編】

シナリオ・センターの新井です。
昨年から不定期にUPしている
突撃インタビュー。第5回目は、『映像シナリオの技術で書くオーディオドラマ講座』を担当して頂いている森講師のインタビュー前編です。
歯に衣着せぬ森先生に、お話をお聞きしました。森先生が、センターに通い始めたきっかけから、現在に至るまで、そしてシナリオを学ぶ皆さんへの思い等々。前後編でお送りします。
前篇は、ギャラの話も出てくるので、新人ライターの方も参考になるかと思いますよ。

個人的には、森先生の根底に流れる優しさみたいなのが大好きなのですが、そんな一面を感じて頂けたらと思っております。

 

当時はまだコピーライターだったけど、通うからにはコピーは書かないと決めてそれを実行するだけの覚悟をしましたね。脚本家になるんだって。

 

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新井

ゼミや講座に限らず、いろんな講師にインタビューしてきているんですが、今回は5回目になります。
毎回どれくらい前に生徒だったのか聞いているんですけど……

 

あら、聞きにくいことかしら? 気にするようなことじゃ……スリーサイズも教えましょうか?(笑)。

 

新井

いや、それは……遠慮しておきます(笑)

 

30歳を目前にした頃だっから……37、8年前くらいですね。

 

新井

シナリオ・センターに通う何かキッカケとかあったんですか?

 

本当にたまたまというか、偶然朝日新聞の夕刊にここの広告が掲載されているのを見たんです。
で、ここしかないと思って……
文学座での照明の仕事の後、モデル、コピーライターとやってきたんですが、やっぱり芝居が好きで、どうしても観る側ではなく創る側になりたいっていう思いがあったから。
役者をやろうにも30歳からだと、どこの養成所にも入れないでしょ。

 

新井

劇団の養成所って年齢制限が20代前半くらいですもんね。

 

そう、女性で22歳くらいまでだったかな。
今みたいにシルバーの劇団みたいなものがあれば、役者への応募もできたかもしれないけどね。
あとは劇団として文芸部を募集しているということもなかったですしね。

 

新井

役者に比べるとシナリオは年齢も関係ないし、始めやすいかもしれませんね。

 

結婚もしていたし「主婦でもシナリオ・ライターになれるかな」と。
あと「シナリオで有名になれれば、いずれ芝居も書けるんじゃないか」と夢みたいなことを思って、それでシナリオ・センターに通うことに。

 

新井 

じゃあ、目論み通りですね!

森 

 

どうかしら……ただ、当時はまだコピーライターだったけど、通うからにはコピーは書かないと決めてそれを実行するだけの覚悟をしましたね。脚本家になるんだって。

 

新井

コピーライターを続けていく気はなかったんですか?

 

う-ん。お金はそれなりに貰えたんだけど、宣伝文句を書くことに自分の中に何かやましさみたいなものもあって……

 

新井

必ずしも自分がおススメの商品のコピーを考えるわけじゃないですし。

 

ええ、食べていくためには良かったんですけどね。

 

 

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新井

当時はシナリオ作家養成講座に通われたんですか?

 

そうですね、15期です。まだ、南青山にシナリオ・センターがある頃で、映画シナリオを中心に書いていらっしゃる加藤正人さんと一緒でした。
今とは違って身体も「ほそ-い」ころ(笑)。


   

新井

(笑)。
昔の写真、見たことあります。モデルさん時代の「ほそ~い」やつ。

 

そうでしょう(笑)。
生徒としては優等生だったと思いますよ。一回も休まず提出物は出していましたから。

 

新井

へぇ~ちょっと意外です。

 

こう見えても、根はまじめなの(笑)。
シナリオの応募にも出していたけど、一次や二次止まりで最終まで中々引っかかりませんでしたね。
通いだしてから、2年半くらいしてやっと戯曲で賞を頂きました。そのまま、ラジオでデビューできて、現在まで来れたという感じですね。

 

新井

新人の頃と今と比べて、ここは変わったなってところありますか?

 

基本、今と同じで変わりませんよ。
どこにいても、誰を前にしても態度は全く変わらないです。新人の頃でもギャラの話とかキチンとしていましたしね。

 

新井

お金の話ってしづらくないですか?
コピーライター時代とかに、「きっちりしておこう」って決めたり、なんかきっかけがあったんですか?

 

特にそういうわけではないけど……フリーでやっているんですから仕事の内容やギャラの事は最初にきちんと確認しておく必要があると思うの。
後で揉めたり、トラブルになるの嫌ですものね。

 

新井

とはいえ、なかなかギャラについて最初から確認できない方は多いと思います……。
あの……ちなみに、このインタビューはノーギャラです(笑)。

森 

 

安心してください。分かっていますから。
請求書、書いたりしませんよ(笑)。

 

 

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新井 

やっぱり、お金の話ってしづらいなぁ(笑)。
 

人に、私のキャラクターが特別だからってよく言われますけど、依頼を受けて脚本なり企画書、プロットを書く訳ですから、その仕事に対してどのくらいの脚本料なり原稿料をもらえるのかと聞くことは恥ずかしいことでは無い筈ですよ。聞けない方がおかしいと思うんですけどね。

 

新井

特に新人の方は、仕事がもらえただけで舞い上がっちゃいますしね。
企画料だとかは特に言いにくいだろうなぁ~

 

でも、若い人たちには依頼を受けて書いたものが放送されれば勿論だけど、金額の高低はあるにしてもお金は貰えるんだなっていう意識は持って欲しいんですよ。
どんな仕事でもお金を貰って初めて
プロと言えるし、仕事として成立するものなんじゃないかしら。

 

新井

確かに。依頼されてもお金がもらえないと「なんだか張りがないな……」ってなっちゃいますよね。

森 

 

私は、自分が面白いと思える仕事なら、安くてもやればいいと思うの。
私もやります。でも決してタダはダメ。少なくとも交通費だけは出して下さいとぐらいは言って欲しい。とにかく、ちゃんとギャラの話は最初にしておかないとね。

 

新井

そっか。ウヤムヤなまま、いい仕事できませんもんね。

森 

 

あと、仕事はやっぱり楽しんでやらないとね。
私は「苦しいことも楽しいことなのよ」って言うんです。
苦しい自分も客観的に見れるくらいの余裕がないとね。大抵のことは過ぎ去ると楽しく話せたりするでしょう。

 

新井

そうやって、ツラい時こそ余裕を持てると良いんでしょうけど……
分かっていてもなかなか難しいですね。

森 

 

ま、これは私自身が自分に言い聞かせる言葉でもあるんですけどね(笑)

 

 

豪快な見かけによらず?実はまじめな森先生。
そしてなかなか難しいお金の話も、きっちりとされるというのも驚きました。でもそれは、いい作品を創るためにも必要なことなんですね。
後編では、学ぶ皆さんへの想いをいろいろとお聞きすることができたので、楽しみにしてくださいね。

後編はこちらから

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