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しゃれおつなお店や人々が行きかう街、表参道。そこで働くシナリオ・センタースタッフの見たもの触れたものをご紹介します。

「美味しい」という味覚をどう映像で伝える?「草加せんべい加賀屋」のサイトで考える。

こんにちは。シナリオ・センター新井です。

今日はちょっと変わった角度から、映像で伝えることってどういうことなのかを考えてみました。下記の「草加せんべい加賀屋」さんのサイトを見てください。こちらのサイト、おせんべいをクリックするとバリバリと割れていきます。これ、映像で表現することを考える上で、面白いヒントになりそうです。

20130518a

http://www.kagayabeika.co.jp/

 

■おせんべいの“美味しさ”を味覚から視覚と聴覚に置き換える

「ここのおせんべい美味しいよ」というのを、どんなに言葉で説明しても、実感として湧きません。では、どうすれば、サイト訪問者においしさが伝わるか。

美味しさというのは、味覚です。味覚を文章で伝えることは、非常に難しいです。でも、おせんべいの場合、あの食べたときのバリバリという音で美味しそうと思ってもらうことは可能です。つまり、味覚ではなく視覚と聴覚に“美味しさ”を置きかえることで、表現することができます。

日本人の聴覚は、欧米人などから比べても非常に特殊な発達の仕方をしているそうです。日本人にとっては、そばをズルズルすする音はサウンドですが、外国人にとってはノイズに感じるといいます。現に、パスタはずるずる食べませよね。

昔、永谷園のお茶漬けのCMで、男性が無心にお茶漬けを食べているCMがありましたよね。くどくど言うよりも、音を立てて美味しそうに食べているだけで、商品の美味しさが伝わってきました。

 

■映像にならないことを、映像化する楽しさ

シナリオで言えば、人間の感情は映像になりません。“悲しい”というのは映像になりませんが、“悲しい”とき、人はどうするのか、どうしているかを考えると映像化することができます。

例えば・・・

“しくしく泣く” “くちびるを震わせている” “夜道をとぼとぼと歩く“ “大きなため息をつく” “部屋を落ち着きなく歩き回る”etcetc

文章で説明しようとすれば、文章力や表現力が必要になります。
ですが、映像であれば、ある出来事に対するリアクションをどう描くかで“悲しい”という気持ちを無限のパターンで表現することができます。シナリオを書く楽しさというのは、一言で言えば“悲しい”のだけど、それをこの人物のキャラクターだったら、どんなことをするだろうかを想像することです。
そしてここで、「そうそう!」とか「あぁなるほど~」と思わせる表現の引出しが増えれば増えるほど、プロへ近づくというわけです。

CMやテレビ番組を見ながら、これは何を映像化したものなのか?という視点を常に持っておくと、いいアイデアの引出しが増えるとおもいますよ!

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