シナリオ・センターの開講情報をお知らせします。ドラマや映画だけでなく小説、戯曲、漫画やアニメの講座の開講、コンクール対策講座もあります。
シナリオ・センターの新井です。
シナリオ・センターではシナリオの“技術”を学んでもらっています。知識ではなく、“技術”。センスではなく、“技術”を学んでもいます。
昨日1/30(木)に開講した「120期シナリオ作家養成講座」でも、2/8(土)開講の「シナリオ8週間講座」でも「シナリオ通信講座」でも学んでもらうのは、魅力的なドラマが書けるようになるためのシナリオの“技術”です。
なぜか?
運動神経抜群の10歳くらいの男の子がいるとします。
その子が「野球をしたい!」といったら、みなさんは最初に何をしますか?
まずは、
「野球っていうのは、ピッチャーがいて、バッターがいて、守備する人がいて、ダイヤモンドは右からまわって、3回アウトになるとチェンジで・・・」
うんぬんと、大体のルールなどを教えるのではないかと思います。
シナリオでいうところの「原稿用紙への書き方」がこれに当たります。だから、シナリオ・センターでは最初に「原稿用紙の書き方」、「文章表現との違い」などを学んでもらいます。
「野球とは~」と偉そうに話したところで、男の子は飽きてしまします。知識が入れば、そもそもやってみたいくなるのが人間です。もう、体を動かしたくて、うずうずしているはずです。
そこでみなさんは、
「バット振って、ボールを当ててみるか?」
となるはずです。
シナリオ・センターで毎回宿題が出るのはこのためです。
「じゃあ、正しい書式で書いてみてください」
「ドラマの肝である、葛藤や迷いを書いてみてください」
となります。
野球の楽しさがわかってきたら、そろそろ、
「僕、ホームランを打てるようになりたい!」
となるはずです。そうしたら、みなさんはどうしますか?
「君は運動センスが抜群にいいから、頑張ればホームランを打てるようになるよ!」
「色々なホームランバッターを研究すれば、ホームランを打てるようになるよ!」
でしょうか?
きっと男の子は、不満そうな顔をするはずです。
だって男の子の知りたいのは、自分がどうやればホームランを打てるようになるのかという技術なのですから。
きっと皆さんは、その子の思いに応えて、どうやってボールをとらえればより遠くへボールを飛ばせるのかという“技術”を教えようとするのではないでしょうか。
「肘をたたんで」とか「ボールを、どこそこで捉えて」とか・・・
シナリオ・センターの講座でいえば、「構成の実際」や「セリフの技術」、「人物の描き方」などがそれに当たります。
もちろん、技術論だけではうまくならないので、宿題を書いて定着させていきます。
何度も何度もバットを振って打ち方を体に覚えさせるのと同じです。
技術というと、型にはまったような気がします。特に創作というと、型にはまる=つまらないという感じがします。確かに、その通りです。だからこそ、プロは型を破るわけです。型を作って破ったところに、センスや個性が表れるのだと思います。
型もないのに型にはまることを恐れてると型なしになります。ホームランは打てません。
シナリオ・センターで学んでもらうシナリオの技術とは、プロになるために必要な型であり、プロになるために破る型なのです。
誰もが「型なし」から始まり、「型にはまる」状態を経て、「型破り」になるのです。
シナリオは誰にでも書けます。その分そのシナリオが「型なし」か「型破り」かは一目瞭然です。シナリオ・センターで技術を学んでもらうのは、誰に見られても恥ずかしくない型を知り、破ってもらうためなのです。シナリオ・センターの出身ライターの皆さんのように、一人でも多くの方に型破りになってほしいと思います。