シナリオ・センターの開講情報をお知らせします。ドラマや映画だけでなく小説、戯曲、漫画やアニメの講座の開講、コンクール対策講座もあります。
シナリオ・センターの新井です。
祖父新井一の著書「シナリオの基礎技術」を基にカリキュラム化されている「シナリオ作家養成講座」の122期が10/15から開講です。
多くの出身ライターの方々に、ここから脚本家への一歩目を踏み出していただいていますが、創作するうえでシナリオ・センターの講座が役に立たないパターンを、あえて3つ考えてみました。
映画でも、テレビドラマでも、小説でも、漫画でも・・・必ず主人公がいて、脇役がいます。でも、たまにすべての登場人物がいとおしくて・・・とおっしゃる方がいます。
もちろん、作者自身が登場人物に愛着を持つのは当然です。
が、愛も昂じるとちょっとめんどくさいことになります。創作も現実も・・・
全ての登場人物を主役のように描きたい、そんな斬新な作品を世に出したいという方には、シナリオ・センターの講座は役に立ちません。
ごめんなさい。
登場人物の描き分けについて、講座の中でお話しするからです。
主役と脇役、端役・・・描き分けができると、主役を軸にしたドラマを描けるようになります。
脇役をどこまで描けばいいのかもわかるようになります。
シナリオ・センターでは、主役を輝かせつつ、脇役にもしどころを作る、そんな登場人物への適切な愛情表現をおススメしちゃいます。
シナリオには、演出方法を書くことはありません。演出は監督さんの領域だからです。
作品をどう撮るかは監督さん次第です。
「でも、ちゃんとイメージ通りに撮ってくれるか心配で・・・」ということで、アップだ、パンだ、フェードインだ・・・など脚本に記入してしまう方がいます。
作品は我が子のようにかわいいものです。
ちゃんと撮影現場でいい子にできるかなぁと不安になる気持ちもわかります。
その気持ちを押えられないという方は、シナリオ・センターの講座は役に立ちません。
シナリオ・センターでは、演出方法はお教えしません。演出の記号は書かないようにと講座でお話しします。
むしろ、脚本家のイメージを伝えるために、ト書にどう書けばいいのかを学んでいただきます。
例えば泣いている表情をアップで撮ってもらいたいのなら、
泣いている花子
ではなく、
花子の頬をつたう一筋の涙
とト書に書けば、おそらくアップで撮ってくれると思います。とはいえここも、監督さん次第ではありますが。
脚本は映像の設計図と呼ばれます。どんな映像をそこに建てるのかは、監督さん次第ということです。
それでも「監督さんは信じられない!私は演出の指示をしたい!」という方は、シナリオ作家養成講座は役に立たないと思います。
表現技術の器があってこそ、才能は花開くので・・・
要は、「自分さえ分かればいいのだ!」という方には、向かないのがシナリオ・センターの講座です。
なぜなら、シナリオ・センターでは自分だけではなく、1人でも多くの方に「面白い!」と思ってもらえるドラマ作りの技術を学んでもらうところだからです。
なので、「自分の世界を、より多くの人に面白いと思ってもらいたい」「より多くの人を楽しませたい!」という方には、役に立つと思いますよ。