子どもからお年寄りまで、すべての人にシナリオの力を!
あなたの毎日に役立つシナリオの活用例がここにあります。
シナリオ・センターの新井です。
株式会社パクレゼルヴのみなさんのインタビュー記事第2弾です。
飲み友達である代表の川本さんとそのスタッフの方々がシナリオ8週間講座を受講した経緯について、第1弾で取り上げました。第1弾はこちらから
さて今回は、株式会社パクレゼルヴ(代表取締役社長 川本聖子さん)のインタビュー、後半の様子を報告します。学んだことをどのような形で仕事に活用しているのかをインタビューしました。 |
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K 僕の場合は、やはりキャラクターの重要性を再認識しましたので、
キャラクターの履歴書をきちんと作ることを始めました。
履歴書のフォーマットを作って、髪の色、背の高さ、衣装、好きなもの、嫌いなもの、
趣味などの項目をたくさん作って穴埋めをする作業です。
新井 綿密ですね~
K そのあと、なぜそれが好きなのか、なぜこんな性格なのか、人物の背景を考えるようになりました。
いまやキャラの設定に履歴書は欠かせません。
川本 そうなんです。やはり、ゲームの場合はキャラクターが一番重要です。
キャラが確立されるとストーリーもキャラを引き立たせるために存在するもの。そう思えるんです。
乙女系の場合は好きなキャラランキングとかありますし、
新井 えっ!そういうランキングがあるんですか!?
川本 ありますよ~もっと濃い乙女系になると、キャラ祭りと称してファンイベントを開催するほどですから!
そこで、キャラに人気が出るとパート2が作れます。
ある意味キャラは資産です。ビジネス的にもキャラは大切なものですね。
y 私は、表情と言葉の使い方に違和感が無いか。
そのことを、映像を学んだことによってクリアーに出来ました。
技術的なところでいうと恋愛ゲームのシナリオにはト書きではなく、
カッコ書きで主人公の想いとか心の声を書くことがあります。
現在形で止めるト書きの書き方はしないんです。
少し戸惑いましたが、実際に自分でキャラの動きを真似て絵を想像することができるので、
シナリオを学んだことはすごく役立ってます。
新井 Mさんはデザイナーとして、現場でどう活かすかを考えながら受講されたんですね。
絵をイメージしたり、キャラをイメージしたりと、考えるべき点がクリアーになった感じでしょうか。
M 私もキャラをイメージするのにシナリオを学んだことは役立ってます。
Kと社内で行う打ち合わせでも共通言語ができてスムーズにいくようになったことが一番ですね。
キャラの背景とかを絵に反映させることも深くなったと思います。
K 感性の部分は揉めますけど(笑)
川本 デザイナーでも受講したことによってシナリオの持つ重要性をきちんと理解しているから、
コミュニケーションが取れていると思います。
どうやら、恋愛ゲームもテレビドラマもキャラクターの重要性は変わらないようです。ストーリーを追うのではなく人物を追う。
シナリオ・センターの講座やゼミでも耳にタコができるほど聞かされていることです。高視聴率が取れるドラマはキャラクターがしっかりと書かれています。「半澤直樹」や「ドクターX」アニメや漫画も同じです。キャラクターが資産だという社長の言葉がとても印象的だったと、取材に同行していた松本は感じていたようです。
と、ここで突然、必死にインタビュー内容をメモしている松本に「まっちゃん、なんか聞きたいことはない?」と無茶ぶりしてみました。こわもての松本に「まっちゃん」という愛称で呼んだこと、松本がなかなか可愛らしく戸惑ったことで、パクレゼルヴの方々から、笑いが起こりました。
新井 まっちゃん、聞きたいことあったら聞いてよ。
松本 えぇ~と、では・・・シナリオを学ぶ前と後では、ドラマや映画の見方が変わったと思います。
どういう所が変わりましたか?
多分、普通に楽しんで見るだけじゃなくて、「トップシーンはここじゃない」とか、
「今のセリフここじゃないでしょ」とか、突っ込むようになったと思うんですが、いかがですか?
Y (笑)全く同感です。
私は、シーンの切り替わりが一番気になるようになりました。
自然かつ意外性があるかっていうことです。
好きな作品がサスペンスということもありますが、
見ている人をどう欺くか、アッ!と思わせるポイントがあるかを特に見てます。
新井 ゲームだと絵替わりってことですかね。
Y そうですね。ただ、私の場合は実写のシナリオも書いています。
その時は、最初からキャラクターありきなんです。
そこで、意外性のある話を考えなければならない。
例えば、主人公が、えっ! ここでキスするの?みたいなところから、やっぱりしないとか、
急に誰かが現れるとか、そういう飽きさせない演出を心掛けるようになりました。
K 僕は分解をするようになりました。
ドラマだと引きをどうしているのか、どういう終わらせ方をするかをよく見るようになりました。
実際ゲームでも一話ごとの引きをどうするかは一番悩むところです。
次への期待と惹きつける魅力ですね。
新井 なるほどね~。なんとなく流して見ていたドラマが、
上手いとか、なぜ面白いのかを考えるようになれたのは大きいですよね。
セリフにしても、言い過ぎだとか説明が多すぎるとか。
ドラマを見て突っ込めるようになると、自分だったらどうしようかを考えるようになりますよね。
例えば、ライターの方との打合せで、キャラクターに二面性があるとかないとか、
そんな話をできるようになったと思うんですが、いかがですか?
Y 確かに、ライターとの打ち合わせの指示がしやすくなりました。
漠然とカッコ良くとか話すのではなく、例えば、時間軸とか細かい話、時間を飛ばしていいとか、
その概念を講座で教えていただきましたから(笑)
ライターさんも「指示が分かりやすい」と言ってくれます。
K 僕も同じですね、ライタ―さんとの打ち合わせで、
ざっくりとこのシーンを甘くとかじゃなくて、具体的に指示を出せるようになりました。
新井 甘くって言われてもライターさん、困りますもんね~
Kさんの「甘い」とライターさんの「甘い」はイメージが同じではないでしょうし。
松本 Kさんは、理系出身ですが、シナリオは足し算引き算を使った計算ですよね。
そこで、理系で学んだことが役立っているのでは?
K そうですね。そう言った部分で、理系学んだ知識を活かしているのかもしれません。
自分では気が付きませんが、組立ての重要性は確かにエンジニアの経験が生きているかもしれません。
Y 押しが強い分、ちょっと引くことによって、より大きく押せるみたいなことは、計算しますね。
松本 やはり、経験したことに無駄なことはないようですね。
Mさんは、キャラクターを描くとき、どの恋愛ゲームでも外せないキャラがありますか?
M そうですね。普遍的なキャラはいますね。年上、ドS、俺様のキャラは絶対外せないですね(笑)
新井 だからこそ、キャラをしっかり作って、差別化を計らないと・・・
みんな同じものになってしまうってことですね。
川本 その通りです。キャラに社運がかかってます(笑)
新井 それでは、そういった経緯で作られたゲームの話をして頂きたいと思います。
川本 ということは、ここから番宣ですか(笑)
新井 そうです!どんどん宣伝してください(笑)まずは、UKISS担当のYさんからどうぞ。
Y はい。UKISSの場合は、実物がいてキャラクターが決まっているので、シナリオに書いた時に、
イメージを壊さないで、どうやってファンの人を唸らせるか、納得させるかに重点を置いています。
とても大変ですが、ギリギリなところを責めてます(笑)
新井 ある意味原作ものを作るって形ですね。どこまでキャラを出すかが一番難しいところでもありますね。
Y 苦しい思いをしながらもシナリオを書いて、ファンの人からお礼のメールがくるとうれしいですね。
「書いて良かったぁ」って。資料やDVDを何回も見たり読み返したり、
キャラが魅力的になる物語作りを考えなければならないので、ファン以上のファンになりました。(笑)
今度、イベントで20分ぐらいの舞台を3本書きます。シナリオセンターで学んだことが生きてます。
ここでは、映像のト書きの書き方を学んだことが一番大きかったです。
確実にライタ―としてステップアップしています(笑)
新井 それ、すごいですね!それでは、Kさんはいかがですか。
K 僕が担当している「恋愛悪魔録」は、用語集を設けるほど細かく背景設定して、
ドラマ性や葛藤を深く描いています。たぶん今までにない恋愛ゲームだと思いますよ。
ハッピーエンドとなるかバッドエンドとなるか、そんな楽しみもありますので、期待して下さい。
裏切りません(笑)
M デザインも様々なバリエーションで只今、進行中です。Kにダメ出しを貰いながら(笑)
でも、楽しく描いてます。
川本 恋愛ゲームの場合は、ディレクターがゲームの完成像をイメージして
ある程度のストーリーとキャラを決め、それをライターさんとしっかり共有する。
そして、それをライタ―さんが膨らませて細かいセリフを書いていく。
そういった役割分担が、一番の理想だと分かりました。
新井 プロデューサー、ディレクター、デザイナー、そしてライター、
それぞれがシナリオを読めて、共通言語でホン打ちをするって理想ですよね。
川本 ホント、そうだと思います。それが、これからのゲーム作りに大切な部分です。
これからもパクレセレブのコンテンツを宜しくお願いします。
あと! 弊社は常に情熱と才能のあるシナリオライターさんを求めています。
恋愛ゲームのライティングに興味をお持ちの方、ご連絡をお待ちしています!
(思いっきり番宣で申し訳ありません。えへへ。)
インタビューはここで終わりです。掲載できない業界話なども多々ありましたが、充実したインタビューができました。一番の収穫は、このような素晴らしいチームが作るゲームのクオリティーは間違いない。そんな発見でした。
パクレゼルヴさんでは、新たなスタッフ、さらに恋愛ゲームを作るライターも求めているようです。パクレゼルブさんが求めるライター像、業界が求めているライター像については、お話を伺う機会を作れたらと思います。
川本社長を始めスタッフの皆さん、貴重なお時間を頂きありがとうございました。今後のご活躍を楽しみにしています。
インタビュー 新井 / 構成・文 松本
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